- 妊娠している間に歯医者さんに行ってもいいの?
- 赤ちゃんが生まれる前に!妊娠前・妊婦さんに知ってほしいこと
- 妊娠時のお口のトラブル
- お口のトラブルに繋がる4つの要因
- 妊娠中に可能な治療と避けた方がよい治療
- 妊婦さんが歯科治療で心配なこと
妊娠している間に歯医者さんに行ってもいいの?
妊娠中は通常より虫歯・歯周病のリスクが高くなります。今まで虫歯になった経験があまりない方でも、妊娠中に食の好みが変わったり、「つわり」で歯磨きが辛くなったりするため、口腔内の環境が変わることがあります。
「妊娠中に治療してもいいのかな…」と悩んでいる方も多いと思いますが、妊娠中の方・妊娠の可能性がある方でも、歯科治療を受けることは可能です。
妊婦さんや赤ちゃんの健康に最大限配慮した診療を提供して参りますので、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
赤ちゃんが生まれる前に!妊娠前・妊婦さんに知ってほしいこと
妊婦さんの食習慣やライフスタイルが、生まれてくるお子さんに大きな影響を与えます。
赤ちゃんの抱っこの仕方や授乳、離乳食など、特に初めての育児は分からないことだらけだと思います。赤ちゃんが生まれてからでは、日々の生活に追われ、こういうときどうしたらいいの?に常に直面します。
今、お腹に赤ちゃんがいる時こそ、赤ちゃんが生まれてからのことをたくさん知ってほしい…。
当院では保育士と管理栄養士、そして現在子育て中の歯科医師が、妊婦さんと生まれる赤ちゃんの健康をサポートします。
栄養バランスの良い食事
食事から摂った栄養は胎盤を通して、赤ちゃんの歯の形成や成長に携わります。赤ちゃんの歯は妊娠初期に作られるため、他の器官よりも早くできるのですが、歯には新陳代謝がありません。そのため、後から必要な栄養素を摂っても手遅れになってしまいます。妊娠したら、より栄養バランスに気をつけていただきたいと思います。
歯を形成するのに欠かせない栄養素は主に、タンパク質と鉄、ヨウ素、ビタミンA、D、B1、B2、B3、C1、マンガン、亜鉛、フッ素などです、歯と言えばカルシウムを思い浮かぶ方もいらっしゃるかもしれませんが、カルシウムを十分に摂っていたとしてもリンの量が足りないと、カルシウムの吸収も悪くなります。要するに、栄養は摂取バランスがとても大事なのです。
また、
- 赤ちゃんの抱っこの仕方
- 授乳の仕方
- 哺乳びんについて
- 離乳食について
- 赤ちゃんの寝かせ方
などの口腔発育に必要な相談も指導させていただきます。
妊娠時のお口のトラブル
妊娠中はホルモンバランスの変化、食事回数の増加、つわりなどによって、虫歯や歯周病、妊娠性歯周炎にかかりやすいとされています。また、今まで気にしていなかった親知らずが突然痛くなったり、歯茎が腫れたりするケースもあります。
お口のトラブルに繋がる4つの要因
以下の4つの要因が積み重なることで、妊娠中は虫歯や歯周病などのリスクが高くなります。
これらの発症リスクを下げるために、妊娠前から口腔環境に気を付ける必要があります。
つわり
歯ブラシを口に入れることで吐き気を催してしまい、歯磨きに支障をきたす方は多いです。
また、歯磨き粉の味が苦手になることで、フッ素入りの歯磨き粉が使えなくなるケースもあります。
つわりによる胃酸で、歯の表面が溶けてしまうこともあります。
食の好み
甘いものばかり食べ続けると、虫歯菌が好む砂糖を過剰摂取してしまいます。
また、酸っぱいものを多く食べると、酸性の食物によって歯のカルシウムが溶けてしまいます。
唾液の減少
ホルモンの影響で唾液の分泌量が減り、口の中が粘っこくなります。
唾液が少ないと自浄作用や再石灰化作用が落ちてしまい、歯肉の炎症や出血リスクが高くなります。
間食
一度にたくさん食べられなくなるため、食事回数が多くなります。食べたものが長く口の中に残ってしまうと、虫歯のリスクが高くなります。
妊娠中に可能な治療と避けた方がよい治療
妊娠中でも受けられる治療と、避けた方がいい治療があります。治療できる時期はあくまで目安ですので、歯の症状が辛い時は、下記の時期に当てはまらなくても無理せずお越しください。
妊娠中に可能な治療
歯石取り・クリーニング | 妊娠直後~7か月頃 |
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虫歯・歯周病 | 妊娠5~7か月頃 |
妊娠中に避けた方がよい治療
矯正治療 | レントゲンが必要なため(※)、セルフケアが難しいため、炎症のリスクが高いため |
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ホワイトニング | 妊娠中のホワイトニングによる母体・胎児への影響が不明であるため |
※母体・赤ちゃんへの影響はないと言われていますが、他の理由と併せたリスクを踏まえると、矯正治療は避けるべきと当院は判断しております。
妊婦さんが歯科治療で心配なこと
レントゲン
歯科医院では顎まわりのレントゲン撮影のみ行います。被ばく量は少なく、防護エプロンを着用していただくため、赤ちゃんへの被ばくリスクもありません。
麻酔
歯科で使われる麻酔は局所麻酔ですので、量が少なく赤ちゃんへの影響もありません。
痛みを我慢してストレスを溜める方が、赤ちゃんに悪影響を及ぼしてしまいます。
お薬
妊娠初期は極力お薬の服用を避ける必要があります。中期以降でしたら必要に応じて、妊娠中の方が飲んでも問題のないお薬を処方します。